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身体の症状と五変

身体に出た症状を悪いものと捉えてそれを抑えよう、出なくしようということは一般的に行われていますが、それは西洋医学的な考え方です。
身体に出た症状は私たちの身体を治そうとしているものを捉え、それを促進させたり、その症状の原因を改善するのが東洋医学です。

ここに来てくださる皆さまは東洋医学的な考え方をすでに持っていらっしゃると思いますので、改めてお伝えすることではないかもしれませんが、患者さん方々はそうではありません。
ですので、症状についてどのような意味があるのかを説明してさしあげる必要があります。そうすれば症状をむやみに止めなくては・・と考えることもなくなるでしょう。
五行の五変を使いながら説明するとわかりやすいと思いますので、今日はご紹介しますね。

子供さんに“けいれん”が出たりすると親御さんはびっくりしますよね。
けいれんは”慄(みぶるい)”で腎水に属します。
震えることで滞った水を流そうとして起こるのです。
どこかに水が滞っているとも考えられます。
処置は水分の流れに対して必要です。

親御さんは死ぬんじゃないかとビックリしてしまわれるでしょうが、けいれんを起こしているというのは自分でなんとかしようとしているので死なないんです。
自分でなんとかしようとしているうちは大丈夫なんですよね。そう、説明できると良いかと思います。
もちろんけいれんを放っておけばいいわのではありませんが、その意味をお伝えして差し上げられればよいですよね。

ビックリする度は大きく異なりますが、似た症状に“貧乏ゆすり”があります。
“慄”なので同じく水を流そうとしているのです。
腎水が治療ポイントなんですね。

“咳”はわかりやすいですよね。
“咳”は肺金に属します。
肺に空気をたくさん取り込めるようにするために気道の確保をしようとしているのです。
冬に備えているので秋に症状が強くなれば正常です。

しゃっくりも理由があって起こります。
しゃっくりは脾土に属します。
横隔膜の痙攣で胃と膵臓を引き上げようとしての反応です。
子供は胃がまだきちんと出来上がっていないから起こりやすいのですが、そのままで大丈夫です。

心の五変は“動悸”です。
心臓は血液を全身にまわす働きです。
そこが乱れるということはその働きがうまく行っていないので調節しているのです。
早く打つことで全身への血流を調節しているんですね。
治すのは動悸という症状ではなくて動悸を引き起こす原因となっている血流の悪い状態です。

肝木の五変は“攣(ひきつり)”
筋肉に血液が行かなくなっているので、ひきつって治そうとしているのですね。

東洋医学を勉強すると、身体に出る症状というものは“病”ではなく“治癒” の方向へ向かっているものだということがはっきりと見えてきますし、それを患者さんにも実感していただけるとよいですね。

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